ゆっくり手作り岩茶の美を味わおう「その1」

武夷岩茶の製造技術は、世界の中でも複雑で煩雑です。中国政府が指定した唯一の製茶技術系においての無形文化遺産です。現在、武夷山の茶師だけがこの複雑な製茶工程をマスターしています。武夷岩茶は烏龍茶の元祖です。

中国の清代初期、武夷山の茶師は徽州松蘿緑茶の「炒青」の技術を取り入れ、武夷茶を「蒸し青」から「炒青」の時代に飛び越えました。武夷山の茶山は、武夷山脈の各峰の坑澗に分散しているため、茶摘み後の輸送に大きな不便を与えているから、茶摘み後は数時間の人力で運ばなければなりません。輸送中、生葉が竹かごの中で振動によって摩擦され、岩茶の「揺青」のもっとも原始的な状態になりません。このような自然条件による茶葉への影響が、武夷茶の独特の風味形成の必要条件となっています。

代々の武夷山茶師達は模索とまとめを通じて、「揺青」、「炒青」などの新技術と宋代に由来する炭焙煎技術の完璧な結合を、ついに独自の武夷岩茶の製造技術を開拓しました。この技術の形成も烏龍茶の誕生を示しています。

手づくりの岩茶は生産コストが高いため、値段が高く、武夷岩茶は古くから最も高価な中国茶です。1948年に武夷山岩茶工場の張天福先生が開発した最初の揉捻機は、武夷岩茶の機械化生産の幕を開き、その後、「殺青」、「揺青」などの工程が相次いで機械化生産を開始し、武夷岩茶の生産量を大幅に向上させました。

 「1948年に武夷山岩茶工場の張天福先生が開発した最初の揉捻機」

辰翼茶荘の茶師は中国政府の岩茶手作り技師の資格証を持っています。竹窠、鬼洞、状元嶺などの上質な山場の岩茶の一部を厳選し、古法を厳格に守り、全て手作業で「岩茶手作シリーズ」を限定生産しました。武夷岩茶が誕生してから三百年の歳月をかけて汗を流してきた歴代茶師の先人たちに敬意を表します。