2025年春　半天腰（はんてんよう）

明の時代、武夷山・永楽禅寺の住職は夢の中で――
宝石を嘴にくわえた小さな鷹が、大きな鷹に追われ、三花峰の中腹にその宝石を落とす光景を見ました。
目覚めた住職が実際にその場所を訪れると、そこには芽吹いたばかりの茶の実がありました。
住職はその茶樹を大切に育て、発見された場所が山の中腹であったことから「半天腰」と名付けたのです。

半天腰は、武夷岩茶の中でもとりわけ古い系譜を持つ品種で、芳醇な香りと澄んだ甘みが調和した味わいが特徴です。
口に含むと、まろやかな旨味がすっと広がり、岩韻の余韻が早くも心に響く――
まさに、優雅さと爽やかさを併せ持つ、魅力的な一杯です。

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