茶虎 チャフー

茶虎は特別な単叢茶であり、大自然が私たちに与えてくれた貴重な贈り物です。茶虎は、茶樹が冬から春へと移り変わる時期に特有の成長現象から生まれました。冬の低温と乾燥によって、一部の茶樹は冬に芽を形成し、春になると通常より早く萌芽します。それはまるで寒い冬の間、山の洞窟に潜んでいた猛虎が突然目覚め、勢いよくその生命力を発揮するかのようです。茶農たちは自然の流れに従い、春茶の生育を均一にするため、春茶の本格的な収穫が始まる前に、特別に選ばれた早熟の若芽を摘み取り、「茶虎」単叢として仕上げます。茶虎の摘採・製造時期は雪片茶の後、春茶の前にあたるため、「雪春茶」とも呼ばれます。茶虎は雪片茶の芳香と春茶の甘み・爽やかさを兼ね備えています。冬と春が交差する特有の気候条件により、その茶葉は肉厚で、内包する成分が非常に豊富です。その独特な風味は、恵まれた気象条件によって育まれた優れた茶青（生葉）と、製茶師の卓越した技術によって最大限に引き出されます。その結果、茶葉の持つ潜在能力が極限まで発揮されるのです。
2024年の年末から2025年初春にかけての潮州地域の気候は、単叢茶樹の冬芽の早期萌芽に非常に適していました。元旦に茶山での実地調査を行った結果、辰翼茶荘の潮州茶工場は、春茶の収穫に影響を与えない範囲で、特別に単叢茶虎の製造を決定しました。今回の茶虎には、樹齢約30年の鴨屎香の茶青を厳選しました。この年代の茶樹は成長が旺盛で、発芽能力が高いため、茶青の摘採が春茶の品質に及ぼす影響が少ないと考えられます。そして幸運なことに、この茶虎は試飲の際、すべての人を満足させる仕上がりとなりました。その香りは華やかで、特有の花香と蜜のような甘い香りが感じられます。茶湯の色は明るく澄んでおり、口に含むと鮮やかな爽快感が広がり、蜜のような甘い果実感が舌に残ります。余韻は長く続き、まさに希少な逸品といえるでしょう。一人で静かに味わうもよし、親しい友人と分かち合うもよし。どんな場面でも、極上の味覚体験をお届けします。辰翼茶荘は、皆様を心よりお誘い、鳳凰山からの「王者の香り」を共に楽しむことを願っております。茶虎の持つ唯一無二の魅力を、ぜひご堪能ください。

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